「高く買って、安く売る」
とはいえ、銀行で投信を買う人が損する最大の理由は、その多くが「値段が高い時に買って、安くなったら売っている」からだ。
一般に、投信は購入後の長期保有を前提に商品設計されている。そのため、保有している期間が短いと、十分な運用期間を得られないまま売却されているとみられている。
ただ、ここ数年はアベノミクス効果で株価が上昇。比較的、「損をしにくい」環境のなかで、なぜ、このような悪い結果になるのか――。
ファイナンシャルプランナーの本間弘明氏は、こう説明する。
「投資の3原則は『長期』『分散』『積立』。銀行での一般的な投資信託の購入方法は『一括購入』がほとんどで、投資の基本である『積立=時間的な分散』が効かず、高値で購入してしまった場合、その後、基準価額が下がったら上がってくるまで塩漬けの状態となる。しかし、塩漬けの期間も信託報酬がかかってしまうので、我慢しきれずにマイナスを覚悟で解約せざるを得ないケースが散見されます」
こうしたときに、銀行から別の投信への「買い替え」などの勧誘があったりすれば、つい飛びついても、おかしくない。