「タテ」と「ヨコ」のコミュニケーション
一方、組織内におけるコミュニケーションは、その種類の違いによって強制力に差があります。すなわち組織コミュニケーションにはタテの関係とヨコの関係、すなわち上司と部下の関係と、職位に上下に違いはあっても直接指示命令のやりとりをする間柄ではない同僚の関係があり、それぞれのコミュニケーションが持つ強制力は当然異なります。
ヨコの関係におけるコミュニケーションでは、何か依頼事項を受けた場合には、「この依頼を自分がなぜ受けるのか」「この依頼内容に正当性はあるのか」などを考えたうえで、依頼を受けるか否かを判断し、受けるあるいは断るの判断を返すことになります。
一方、タテの関係におけるコミュニケーションでは、上からの依頼事項に関してはほぼ無条件に受け入れるのが常であり、それが「命令」という呼び名になるわけです。
「命令」は組織統制上従うことが大原則であり、上司の立場が強ければ強いほど、その効力は増して逆らうことが難しくなります。結果として、前述のような発言力の強い上司から間違った「命令」が出された場合にもその「命令」にも従わざるを得ず、この間違った「命令」に基づく不祥事が後を絶たない、ということになるのです。では、どうしたらそれを防止することができるのでしょう。