ルール違反じゃなければOK! じゃあ、ビジネスで「パス回し」は「あり」ですね?(大関暁夫)

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ビジネスには「明確な正解」がある

   ならば、やはりビジネスにおけるコンプライアンスは似て非なるものです。たとえば、仮に法律に違反はなくとも、弱者をいじめるようなビジネスモデルがあれば、それは確実に多くの人から非難の対象になるでしょう。つまり、ビジネスにおける売り手サイドのモラルを問われかねない行為や戦略は、わが国ではコンプライアンスという概念が浸透して以降、基本的に誰が考えてもアウトだからです。ビジネスには、明確な正解があるのです。

   私はそんなことを頭の中で考えながら、「いや社長、スポーツとビジネスでは土俵が違いませんか」と答えたのですが、社長は私の発言に即答で熱っぽく反応します。

「スポーツだろうとビジネスだろうと、ダメなものはダメだよ!」

   私と社長で意見が食い違っているのは、あくまでスポーツの部分だけ。もしビジネスの部分の意見が食い違っていたなら、それはA社長の経営姿勢に関わる問題なので、こちらもムキになってでも反論するところですが、その必要もありません。

   松井選手の調査のとおり、スポーツの戦略に対する受けとめ方は人それぞれなのですから。「なるほど、社長のおっしゃる通りかもしれませんね」、として、この話題は終わりにしました。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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