生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(東京都新宿区、組合員数約39万人)が、米国農務省が発表した「全米遺伝子組み換え食品表示法」に基づく遺伝子組み換え(GM)由来の食品原料表示ルール案に対する意見を、2018年6月29日に提出した。7月10日の発表。
日本は米国産の食品・食品原料の一大市場で、米国での遺伝子組み換え食品の表示ルールは、日本の消費者の口に入る食品の情報開示にかかわる。生活クラブ連合会は米国政府に対して、食品包材にすべての遺伝子組み換え原料が表示されることを強く求めている。
日本にも影響、あいまい表示は「誤認」する恐れが......
2016年7月、米国で消費者団体などの強い働きかけによって、「全米遺伝子組み換え(GM)食品表示法」が成立。GM作物由来の原料の表示が全米で義務化されることになった。これを受け、米国農務省はGM食品の表示ルールを検討しているが、5月にルール案を発表。7月3日までにパブリックコメントを募集。焦点となっている「油や砂糖など高度に精製された食品にもGM表示を義務付けるべきか」については、パブリックコメントでの意見を踏まえて決定するとされる。
米国でのGM食品の表示制度の導入は、日本の消費者にとっても情報開示につながる。また現在、日本でも消費者庁がGM食品の表示基準の改正のため、今後は消費者委員会への諮問を予定。生活クラブ連合会は、「米国でのルールづくりの動きは、日本のGM表示制度にも影響を与えることが予想される」としたうえで、「すべてのGM原料を包材上に文字で表示し、消費者に間違った印象を与えるマークを使用しないよう求める」意見書を、米国農務省に提出した。
具体的には、(1)GM原料を使ったあらゆる食品を義務表示の対象とすること(2)QRコードではなく、包材上に文字で表示すること(3)企業はすでに「GMO」という確立した用語を使った表示で商品を市場に出しており、米国農務省は「GMO(遺伝子組み換え作物)」表示の継続を認めること(4)消費者が誤認しないように表示すること(5)新たな遺伝子組み換え技術を使った将来の食品も義務表示の対象とできるルールにすること(6)企業に対して、2020年1月までに表示を実施すること――を求めた。