その55 月刊「文芸春秋」の近年の「同級生交歓」 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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サッカー、岡田武史さんはいじめっ子だった!?

   たとえば、2人とも故人だが、洋画家の岡本太郎さんと声楽家の藤山一郎さんが出てくる。ご両人は慶応幼稚舎(小学校)と普通部(中学校)でずっと一緒で、卒業のときは岡本さんがビリで、藤山さんがビリから2番目だった。これが藤山さんの岡本さんに対する自慢である。岡本さんがそう書いている。

   これも2人とも故人だが、俳優の団玲子さんと田宮二郎さん。京都の府立鴨沂高校で一緒だった。だけど、団さんは田宮さんの学生服姿をどうしても思い出せない。そう田宮さんが書いている。

   あるいは、大阪の帝塚山学院小学校で一緒だったサッカーの岡田武史さんとキャスターの国谷裕子さん。帰国子女の国谷さんは岡田さんに「ヤンキー、ゴーホームといじめられた」と言い、岡田さんは「記憶がない」と逃げている。

   こんな楽しい「同級生交歓」がだんだんなくなってきた。近年は、出てくる人物がイマイチだと思うことが多い。たとえば、3人のうち1人が国会議員で、2人が医者というのを読んでも、面白くもなんともない。多分、ネタ切れなのではないか。

   僕がこんな悪口をたたくのは、この欄に出てほしいとの声がかかりそうにないので、焼き餅を焼いているのかもしれない。でも、もし将来、僕が「勝ち組」になって誘いを受けても、「信念に反する」と、きっぱり断ろうと思っている。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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