デキの悪い人を優遇する会社からはデキる人が流出する
このような事実は、わざわざ筆者が指摘するまでもなく、頭のいいビジネスパーソンであればみんな、肌感覚としてしっかり理解している基本だ。
ネットで騒いでいるのは、とにかく労使対立を煽りたい左派か、「仕事ができないことで補助金を受け取っている側の人間」なので、未来ある若手は無視しておいて構わない。
それでも、「いや、労働者はちゃんと席に座っていた時間で報われるべきだ」と考える人には、以下のアドバイスをしておこう。
仕事のできるビジネスパーソンは、上記のアングルなんてとっくに理解しているから、長期的にはだいたい「時間によらずに成果で評価するマネジメントの確立している企業」に転職していくだろう。
上の例でいえば、Aさんみたいなタイプは流出して、代わりにBさんそっくりの人材だけで固まるようなイメージだ。そんな組織の中で損をせず得する側に回るにはどうすべきか。頑張ってBさんよりいっぱい残業するのが、元を取るための唯一の道だろう。
なお、仕事の遅い連中ばかりで固まった結果、業績が下がって人件費そのものが下がるリスクについては、往々にして起こり得ることだがここでは考慮しない。
(城繁幸)