いよいよ、夏休み。ところで、2018年7月下旬から学校の夏休みの日程が変わり、子を持つ親はそれに合わせて仕事を休む必要が出てきたことをご存じだろうか――。
「キッズウィーク」が今年度から政府主導で導入されたからだ。「ええっ、キッズウィーク? 何それ、聞いてない」と驚いたアナタ。心配はご無用。働くママの7割が知らないという調査があるほど、浸透していないのだ。
「働き方改革」と「消費の拡大」の一石二鳥を狙う点では、あの失敗に終わったといわれる「プレミアムフライデー」に似ているのだが......
早くも「プレキン」の二の舞と 政府の「休み方改革」むなしく
首相官邸のホームページによると、「キッズウィーク」とは、地域ごとに夏休みや冬休みなどの学校の長期休業日から、一部の休業日を他の日に移して休業日を分散化。学校が休みとなった日に大人も有給休暇を取得し、親と子が共に休日を過ごすことを国民運動的に盛り上げていく、というものだ。
親子が触れ合う時間を増やすだけでなく、地域の企業も一体となって協力。親が有給休暇を取得しやすくなり、働き方改革につながる。また、まとまった休みを新たにつくることで、消費や観光需要を増やすことも目的の一つだ。
政府の教育再生実行会議が2017年6月に提言。今年4月から導入が始まった。地方の実情に合わせて日程を調整するため、都道府県や市町村の教育委員会ごとに実施するが、2018年4月24日現在、すでに「日程を設定した」と答えたところは、都道府県では14.9%、市町村では8.6%にとどまる。残りは「設定を検討中」もしくは「設定する予定はない」と、熱意に乏しい状況だ。
具体的には、どうやって新しい「連休」をつくるのか。たとえば「県民の日」を活用する例がある。例1を見てほしい。千葉県の県民の日は6月15日(木)。翌16日(金)を休日にすれば、15日~18日(日)まで4連休になる。このため、夏休みの最後の日の8月31日の「休業」を6月16日に移す。だから夏休みは8月30日までとなり、8月31日が2学期の始まりになる。
例2は、夏休みの始まりの7月20日~21日と、終わりの8月29日~31日の計5日分の「休業」を10月16日(月)~20日(金)に移す方法だ。その分、子どもたちの夏休みは短くなるが、10月15日(日)~10月22日(日)までのビッグな8連休が生まれるという寸法だ。
ちなみに、フランスでも学校の冬休みや春休みの分散化が図られ、休みが集中せずに旅行しやすくなり、観光収入の増大に役立っているらしい。