「海外M&A」過去最高に 340件、金額も11兆円...... 背景は?

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   日本企業による海外企業の買収や出資(M&A)が、2018年1~6月期で340件、金額にして11兆7361億円と、いずれも過去最高になったことがわかった。企業の買収仲介・助言のレコフが7月4日に発表した。

   少子高齢化に伴う国内市場の縮小や、国際競争力の強化に時間をかけて現地に進出するよりも買収を選択する日本企業が増えていることが、背景にある。金融緩和で、巨額の資金を手当てしやすいこともある。

  • 日本企業が海外企業を買いまくり!
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シャイアー、ウーバーなどが案件上位

   日本企業の海外企業に対するM&Aが拡大している。レコフによると、2018年1~6月期に、日本企業が海外企業を買収したケース(IN‐OUT)は、件数で前年同期比8.6%増、金額ベースで3.2倍増の11兆7361億円だった。

   なかでも、1000億円以上の案件は13件で、前年同期の7件から6件増えた。金額のトップは、5月に武田薬品工業が6兆6994億円の巨額の資金を投じてアイルランドの製薬大手、シャイアーの買収を決めたケース。次いで、ソフトバンクグループによるライドシェア最大手の米ウーバーテクノロジーズへの資本参加(8673億円)がある。

   一方、海外企業が日本企業を買収(OUT‐IN)したケースは、件数で前年同期比46.3%の120件、金額ベースで7.6倍増の6兆8503億円となった。金額のトップは、独ドイツ・テレコムの米子会社のTモバイルUSによるソフトバンクグループの米孫会社のスプリント・コーポレーションの買収で6兆4000億円だった。

   また、国内同士の買収(IN‐IN)では、件数で39.4%増の1338件、金額ベースで20.6%増の1兆5057億円だった。シャープが東芝子会社の東芝クライアントソリューションを買収。「ダイナブック」ブランドを承継して、パソコン事業に再参入したケースがあった。

   M&A市場全体では、件数ベースで32.7%増の1798件となり、12年ぶりに過去最高を更新。金額ベースでは3.4%の大幅増の20兆922億円となり、初の20兆円越えとなった。

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