ビットコイン(BTC)取引所の「Mt.Gox」を運営していたMTGOX(東京都渋谷区)は2018年6月22日、東京地裁から民事再生手続きの開始決定を受けた。破産手続きを進めていたが、BTCのレートが破産時の1 BTC 5万円から、17年12月には200万円超に急騰したことで事態が一変した。
企業情報の東京商工リサーチは7月2日付の「データを読む」で、「MTGOXの破たん処理は、すべてが異例ずくめだ」と報じた。
債権者側が再生計画案を作成
MTGOXは2014年2月に仮想通貨のビットコイン(BTC)の不正流出で、民事再生法の適用を申請。その年の4月には東京地裁から再生手続きを棄却され、破産手続きを進めていた。ところが、BTCの価値が破たん処理のあいだに2000億円超に膨らんだことから、債務超過から大幅な資産超過となった。
債権者に100%配当が実現できる見通しになったため、破産手続きを中止して民事再生に移行する。
東京商工リサーチによると、破産手続きではBTCを現金に換金して配当するが、破産時のレートが配当基準額で、BTC価格が高騰しても配当は倒産時の約5万円となるため、17年11月に一部の債権者がBTCでの配当が可能な民事再生法の適用を申し立てた。東京地裁はこれを受けて、民事再生手続きの開始を決めた。