経営者の考えている方向性を理解している社員は33.6%しかいないことが、組織マネジメントなどのタバネル(大阪市北区)の「社員意識とフィードバックの関係についての調査」でわかった。2018年6月26日の発表。
経営者の考えている方向性の理解には、直属の上司からのフィードバックの「頻度」が大きく影響しているという。
フィードバック「あり」と「なし」では5倍の差
調査によると、全国の20~59歳の会社員128人に「経営者の考えている方向性を理解しているかどうか」聞いたところ、「理解している」に「おおいにあてはまる」と答えた人は6.3%、「ややあてはまる」が27.3%で、合わせて33.6%の人が「あてはまる」と回答した=円グラフ参照。
一方、「まったく当てはまらない」は10.9%、「あまりあてはまらない」が17.2%で、合わせて28.2%の人が「あてはまらない」と答えた。
また、「経営者の考えている方向を理解している」との問いに、直属の上司から月1回以上フィードバックを受けていると回答した人のうち、「大いにあてはまる」と答えた人は14.5%、「ややあてはまる」が40.0%で、合計で54.5%が「あてはまる」と回答。その 一方で、直属の上司からのフィードバックが月1回未満の人は、「大いにあてはまる」が0%、「ややあてはまる」が29.6%。さらに直属の上司からのフィードバックを受けていないと回答した人は「大いにあてはまる」0%、「ややあてはまる」は10.9%だった。
直属の上司から「フィードバックを月に1回以上受けている人」は、「フィードバックを受けていない社員」の約5倍多く経営者の考えている方向性を理解していることがわかった。
話題の「リファラル採用」もフィードバックの「頻度」が影響
ところで、米国ではすでに一般的な採用方法とされる「referral(リファラル)採用」は、日本でも2015年ごろから注目が高まってきている。リファラルとは、推薦や紹介の意味で、在籍する社員やOB・OGの紹介など社員の人脈を使い、自社の社風にあっている人や業務内容に適した人を選考、採用する方法をいう。
米国ではGoogleやFacebookなどのIT企業をはじめ、日本でもビズリーチやメルカリ、エウレカといったベンチャー企業を中心に導入している。
調査では、「現在の勤務先への入社を友人・知人に薦めたい」との問いに対し、直属の上司から月1回以上フィードバックを受けていると回答した人のうち、5.5%が「大いにあてはまる」、21.8%が「ややあてはまる」と回答。合計の27.3%が「あてはまる」と答えた。
一方、直属の上司からのフィードバックが月1回未満の人は、「大いにあてはまる」が7.4%、「ややあてはまる」が14.8%。さらに、直属の上司からのフィードバックを受けていないと答えた人は「大いにあてはまる」が4.3%、「ややあてはまる」が6.5%だった。
直属の上司から、「フィードバックを月に1回以上受けている社員」は、「フィードバックを受けていない社員」の約2.5倍多く、勤務先への入社を薦めたいと考えていることがわかった。
なお、調査は2018年6月20~22日に実施。有効回答数は128人。