「サムライブルー」日本代表の活躍で盛り上がっているサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。決勝トーナメントへの勝ち残りをかけて、数々の熱戦が繰り広げられました。
まさかの前回王者ドイツの敗退から、「サッカーの神様」が引き起こした「場外戦」まで、今週のニュースな英語は「英語で話すW杯」第2弾。さて、世界中で話題になったあのネタ、「英語ではなんというの」?
「hampanai」じゃないと「衝撃」が伝わらない!?
まずは、日本人選手の話題から。
すっかり定着した感がある「大迫、半端ない!」は、なんと! 英国の高級紙「ガーディアン」のウェブサイトでも紹介されていました!
His performances are often described as hampanai or hampanaitte - a Japanese expression meaning "awesome" or "incredible".
(彼のパフォーマンスは、日本語で「驚くばかりだ」「信じられない」という意味の「半端ない」「半端ないって」と表現される)
・awesome:驚くばかりの
・incredible:信じられない
なるほど、「半端ない」は「awesome」(驚くばかり)や「incredible」(信じられない)と訳されるようですが、残念ながら「半端ない」のインパクトまでは伝わらない気がします。
これを機に、「hampanai」が世界中に広がるとおもしろいですよね。今ではすっかり「国際語」になった「karaoke」(カラオケ)や「emoji」(絵文字)のように。
さて、いよいよ決勝トーナメントが始まります。
決勝トーナメントは「knockout stages」(ノックアウトステージ)や「knockout tournament」(ノックアウトトーナメント)ともいわれます。
「knock out(動詞)」は(打ち負かす、敗退する)という意味。負けたらそこで「ノックアウト」される「勝ち抜き戦」の厳しさが伝わってくることばです。
前回王者のドイツがまさかのグループリーグ敗退。その時、世界中を「ドイツがノックアウトされた!」の見出しが駆け巡りました。
Germany was knocked out of the World Cup.
(ドイツチームがワールドカップで敗退した!)
逆に、「決勝トーナメントに進出する」は、「qualify」(予選を通過する)という動詞を使って「qualify for the knockout stage」 です。
England qualified for the knockout stage.
(英国チームは決勝トーナメントに進出した)
「qualify」は(~の資格がある)という意味が知られていますが、「決勝ステージに進出する資格を得た」というニュアンスなのですね。W杯のおかげで、ボキャブラリーがどんどん増えていくから楽しみです。
崖っぷちのアルゼンチンを救ったのは、やっぱりこの人!
前半戦の「番狂わせ」の一つは、メッシ率いるアルゼンチンチームの苦戦ぶりでした。
ギリギリで決勝トーナメント進出を決めた後、あのメッシが「こんなに辛かったことはない!」と、真情を吐露したほど、重圧がかかっていたようです。
Icould not remember such suffering before
(これまで、こんなに辛かった記憶がない)
メッシがようやく今大会初ゴールを決めた後、地元アルゼンチンの新聞にはこんな見出しが躍りました。
Messi is still alive!
(メッシはまだ生きている!)
試合展開もさることながら、世界中がハラハラしたのは、「サッカーの神様」こと元アルゼンチン代表のマラド―ナ氏のパフォーマンスでした。
今大会、母国アルゼンチンチームの試合をすべて観客席で応援をしたマラドーナ氏ですが、とにかくパフォーマンスが派手! 負け試合の時は選手に「喝!」を入れたり、ゴールを決めた時は椅子の上に立ち上がって落ちそうになったり。
決勝トーナメント進出を決めたナイジェリア戦では、興奮のあまり失神して(?)会場に医者を呼んだと見られる写真がSNSに投稿されて、話題を集めました。
実際は、血圧が上がってドクターチェックを受けたそうですが、医者からは「試合途中で帰れ」とアドバイスされていたことを試合後に明かしました。それでも会場に残った理由を、「みんな、リスクを冒している! 自分だけ帰るなんてできない」と熱く語ったマラドーナ氏。試合観戦も命がけのようです。
マラドーナ氏の「命がけの応援」のためにも、アルゼンチンチームには1試合でも多く勝ち進んでもらいたいものです。話題が盛りだくさんのW杯。knockout stagesも目が離せません。(井津川倫子)