新会社の再建策次第では取引先の切り捨ても
また、帝国データバンクでもこう説明している。
「連鎖倒産ゼロとなった主な要因としては、部品供給などに関わる重要な取引先約560社に対して、タカタが従前どおりの条件で全額弁済を実施したことが大きく寄与している。このほか、地元自治体や自動車メーカーによる資金繰り支援なども、取引先の連鎖倒産回避に寄与した」
このように、各種支援策が下支えとなり、懸念されていた取引先の連鎖倒産が一たんは回避されたわけだが、両社とも、まだ安心は禁物だと指摘する。
それは、事業を承継したキー・セイフティー・システムズ社系の新会社の再生計画が認可されたのが今年6月25日で、今後どう実行にうつされるか不透明だからだ。
帝国データバンクは「新会社の生産体制や自動車メーカーの動向次第では、タカタの主な生産拠点のある滋賀県や佐賀県の取引先を中心に、一定の影響が及ぶリスクには引き続き注意を要する」と指摘。東京商工リサーチも、「新会社が主導してサプライチェーン(部品供給や物流システム)が見直される可能性もある」と心配する。
そうなると、取引先の部品メーカーへの厳しい影響は避けられない。