役員報酬の最高額は、ソニーの平井一夫前社長(現会長)で27億1300万円(2017年3月期は9億1400万円)だった。企業情報の東京商工リサーチが、2018年3月期決算の「役員報酬 1億円以上開示企業」調査をまとめ、6月22日に発表した。
6月22日17時現在、有価証券報告書の提出が確認された568社のうち、1億円以上の役員報酬を受け取った役員を開示したのは70社で、人数は178人となった。この178人のうち、前年より報酬額が増えたのは88人(構成比49.4%)、減額は31人、同額が1人。前年は開示なく、18年3月期に開示されたのは58人だった。
2~4位はソフトバンクが独占
2018年3月期の役員報酬ランキングは、別表のとおり。ソニーの平井一夫前社長の役員報酬、27億1300万円は、歴代5番目に高い報酬額だった。基本報酬の2億4400万円のほか、今年4月の社長退任に伴う株式退職金11億8200万円、業績連動報酬6億4700万円、ストックオプション4億900万円(付与数20万株)などが内訳。
2位から4位はソフトバンクグループが独占。2位はロナルド・フィッシャー取締役副会長で20億1500万円(前年は24億2700万円)、3位がマルセロ・クラウレ取締役副社長COOの13億8200万円(前年開示なし)、4位がラジーブ・ミスラ取締役副社長の12億3400万円(前年開示なし)。開示された6人のうち、4人が外国人の役員だった。
5位は、LIXILグループの瀬戸欣哉代表取締役社長兼CEOの11億2700万円(前年5億2600万円)。
カルロス・ゴーン氏、三菱自動車で登場
1億円以上の役員報酬を開示した70社(人数178人)のうち、開示人数が最も多かったのは、東京エレクトロンの10人(前年は9人)。次いで、ソニーが9人(10人)、三井物産が8人(5人)、 LIXILグループ8人(4人)、日本精工8人(4人)と続く。2人以上の開示は41社(構成比58.5%)だった。
70社のうち、16社は開示人数が前年より増加、減少は2社、41社は前年と同じだった。
一方、今回初めて1億円以上の役員報酬を開示した三菱自動車工業には、日産自動車で「高額報酬」の常連、カルロス・ゴーン代表取締役会長(報酬額2億2700万円)が登場した(個別開示は合計で2人)。
東京商工リサーチによると、ここ数年は業績に連動した報酬体系に変化がみられ、またストックオプション、株式報酬などの非金銭報酬による報酬も目立ってきている。18年3月期決算は、前年に引き続き好決算を公表している企業も多く、開示の社数・人数ともに前年を超えるペースで推移している、としている。
なお、前年6月22日17時現在の有価証券報告書提出は357社。このうち、開示は43社、101人だった。
1億円以上の役員報酬の開示は、「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づき、2010年3月期決算から報酬の総額、報酬の種類別(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の区分)の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられている。