仕事とプライベート「どっちが大事?」 それが愚問になる時代がやって来る(城繁幸)

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滅私奉公から契約へ

   実際問題として「仕事よりプライベート優先」という若手が過半数を超えてしまった以上、もはや「滅私奉公」を前提とする人事制度は維持できないと筆者はみている。では、これからの雇用はどのように変化していくのか。

   紆余曲折はあるだろうが、最終的に滅私奉公という概念が消え、契約ベースの雇用関係に移行するというのが筆者の見方だ。そうなれば、あなたの勤務地はここ、担当業務はコレ、そしてそれに対する報酬はいくらと、従来は曖昧だった処遇がすべて契約で規定されて、それ以上のものが要求されることはない。各人は契約の範囲内ではプロフェッショナルとして職責を果たすが、それ以外でプライベートを犠牲にすることはない。

   おそらく、今の若手社員が中堅になるころには、「仕事とプライベートどちらを優先しますか?」といった質問自体にあまり意味がなくなるだろう。

   「どっちも大事に決まってるじゃないですか」と、普通に答える世代の登場を待ち遠しく感じるのは筆者だけだろうか。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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