あの産経、読売まで...... 新聞社説が総スカン!「カジノ法案」がこれほど嫌われるワケ

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カジノが負けた客に貸し付け、借金漬けにできる

   そのうえ、カジノ事業者が、負けた客にカネを貸し付けることができるシステムも法案に盛り込まれた。国会審議の中で、野党側から「ギャンブル依存症に拍車をかける」と追及されると、石井啓一国土交通相は「(カジノの客は)富裕層......。定義ははっきりしませんが、かなりの富裕層に限定されるのではないか」と言いよどんだ。「では、どの程度の高額所得者か」とさらに追及されると、「国民の平均年収を勘案して......」と具体的な答弁をさけるありさま。

「カジノ事業者が客に金を貸せるというのも問題だ。運営する側が資金を用立てると、客を借金漬けに追い込む恐れがあるとして、(競馬・競輪などの)公営賭博では許されていない。整合性が問われる。政府は、本人の支払い能力を調べ、預託金をとったうえで貸すという。だが、詳細は法案が成立した後に政令で定めるという。これでは議論の深めようがない」(朝日・6月10日)。

   カジノ法案には、このように一番肝心な「依存症対策」を含め、「成立後に規則や政令・省令で決める」というあいまいな項目が331もある。各紙とも、今のままでは「白紙委任」はできないと主張するのも無理はないだろう。

   また、カジノ施設そのものが、決して地元の振興に役立っていないという指摘もある。

「1970年代にカジノが合法化された米ニュージャージー州のアトランティックシティーでは、大型カジノ施設ができた後、競争激化で閉鎖が相次いだ。街の活性化につながらず、貧困率も改善しなかった。韓国東北部のカジノ『江原(カンウォン)ランド』周辺では、地元住民の破産が増え、教育環境が悪化、人口が減少した」(朝日・4月5日)。
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