2018年6月18日7時58分ごろ、大阪府北部を中心に震度6弱の強い地震が起こった。京都や兵庫が震度5強を記録するなど、近畿地方の広い地域が被災、阪神高速道路は点検のため全線で通行止めとなり、東海道新幹線も一部区間で運転を見合わせるなど経済活動への影響が心配されている。
東京商工リサーチが保有する企業データベース(約480万社)で、震度6弱が観測された大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市に本社を構える企業を緊急調査した結果、被災地域にある企業数は3万8322社あることがわかった。
資本金1億円未満(個人企業含む)の中小・零細企業が全体の98.5%を占めており、財務体力に余裕が乏しいため、被災による設備修復や売上減少への影響が長引くと、新たな資金繰り支援策が必要になる可能性があるという。
被災の影響が長引くと資金繰りが心配
東京商工リサーチによると、被災地域にある3万8322社のうち、産業別で最も多いのは「サービス業」の1万4963社(構成比39.0%)だった。次いで、建設業の4916社(12.8%)、不動産業の4469社(11.6%)と続く=別表参照。
ただ、小売業、卸売業、製造業も多く、幅広い産業の集積地区になっている。 業種をみると、最多は専門サービス業の3198社(構成比8.3%)。特に被害が多かった大阪市北区は大阪高裁や地裁などがあり、法律事務所や司法書士事務所が多い。次いで、不動産賃貸業・管理業の2294社(5.9%)、総合工事業の2278社(5.9%)と続く。
一方、資本金別でみると、最多は100万円以上1000万円未満の1万6469社(構成比42.9%)だった。次いで、1000万円以上5000万円未満の1万926社(28.5%)。個人企業も6190社(16.1%)あり、個人企業まで含めた資本金1億円未満の中小・零細企業は3万7755社(98.5%)に達することがわかった=別表参照。
売上高をみても、3万8322社のうち、2017年1月期以降の業績が判明している9982社を分析すると、売上高の最多ゾーンは1億円未満の4301社(構成比43.0%)だった。次いで、1億円以上~5億円未満の3213社(32.1%)、10億円以上~50億円未満の1074社(10.7%)と続く。
売上高10億円未満の企業は8355社(83.7%)にのぼり、業績面からも中小・零細企業が多い地域であることがわかった。