ドル円相場は109円台半ばを境に、もみ合う展開となった。2018年6月3日に開催された米中通商協議で具体的な進展がなかったことやトランプ米大統領が欧州連合(EU)やカナダ、メキシコからの鉄鋼・アルミ輸入に対する追加関税を1 日から実施したことを受けて、貿易摩擦への懸念が強まり109円台前半まで下落した。
ところが、米国の10 年国債の利回りが上昇すると1ドル109 円台後半まで反発。6月5 日には一時110円を上回る場面も。その後は好調な米国景気を背景にドルが買われたかと思えば、貿易摩擦への懸念からドル売りが優勢になるなど、方向感に乏しい相場となった。
そうしたなか、早稲田大の惟光が動く。これまで保持してきた「買い」ポジションを決済。一方、明治大のRWはやや後退。慶応大の石油王は前週からの円安傾向に「110円が壁」と読み、取引を控えた。
FXで「うねり取り」を実践 その結果、待ちに待って......(早稲田)
6月1日(金)
週足チャートを見ると、ここ2か月は長期的な上昇トレンドが形成されていたが、先週から今週にかけて短期的な下降トレンドが形成された。そして今週の週足は陰線(始値に比べて終値が安かった状態にあること)とはなったものの、長い下ヒゲをつけている。これを、私見では「ドル売り円買い」の流れが滞りはじめ、上昇トレンドへの再スタート契機ではないかと考えた。
日足チャートを見ると、5月29日、5月30日、5月31日に108円前半へ割り込むものの反発して、長い下ヒゲをつけるロウソク足となっている。いずれの日も108円70銭までにはロウソク足の実践の下端部が収まり、長い下ヒゲをつけている。下げの動きに対しては抵抗力が働き、下げ止まっているようだ。
今週の半ばには108円台まで割り込む局面もあったが、現在に至っては109円台まで回復してきている。5月21日につけた111円台まで回復するにはまだ時間がかかるかもしれないが、日足における下げ続きの傾向は、終わりを迎えているのではないだろうか。
「三月またがり60日」の格言に従い、まだポジションを決済するには早いと踏んだ。とはいえ、格言が絶対の正解ではない。ときには格言どおりの値動きをしないこともある。正直、先週から今週にかけての下落相場では、もう長期の上昇トレンドは終わったのかと思ったが、週足・日足の両方の下ヒゲが、いまだトレンドの中途である可能性を示している。したがって、買いポジションの決済は見送った。
6月8日(金)
この日、これまで保有し続けてきた「買い」の750ドルを、利食いするために決済した。きょうを決済のタイミングと判断したのには、こんな理由がある。
日足のロウソク足チャートを見ると、5月2日、5月21日、6月6日の三日を頂点として、三尊天井(高値圏で見られる形状の一つで、3つの山形で中央の山が最も高くなる。この形状が現れると、それまでの上昇相場が終了して、今後近いうちに下降局面に入ることを示すとされる)が形成されている。一つ目の山の底である5月4日の安値を、二つ目の山の底である5月29日の安値が割り込んでいる。さらに三つ目の山の頂点が6月6日に迎えられ、以後2日間値を下げ続けたから。つまり、これまで波乗りしてきた上昇トレンドが今後大きく折り返し、強く下げはじめると考えた。
17時33分、1ドル109.343円で750ドルを売った。実現損益がプラス221円でスワップの合計が179円。合せてプラス400円となった。
いままで、長期的なうねりを取っていくことを目標としてきた。この手法は林輝太郎氏が1998年に執筆した「うねり取り入門」(同友館)を読んで学んだものだ。この本はあくまで株式市場において、うねり取りが有効であることを説いたもので、FXにおけるうねり取りを解説したものではない。
しかし、人間の感覚や相場が「3月またがり60日」に自然と、いや不思議と、従っているのであれば、FX市場においても「うねり取り」は通用するのではないかと考え、実践してきた。
これまで波に乗ったのは2度。1回目は乗りはじめるのが遅く、結果的にマイナスにはなったものの、波を意識し乗ることはできた。そして今回は、乗るだけでなく利益を勝ち取ることができた。
前週からの損益 プラス400円
6月8日現在 9206円