内閣府が先月(2018年5月)、発表した2018年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比マイナス0.2%、じつに3年ぶりの減少となった。
ガソリンや食品などの値上がりで、GDPの6割を占める個人消費が低調だったこと、数年続いた「タワマンブーム」がひと段落し、住宅投資が落ち着いたことなどが要因だ。3年ぶりのマイナスで、「すわ景気回復にストップか」との声も聞かれる。
「景気回復に貢献しない女」
こういう話を耳にすると、つくづく自分は「景気回復に貢献しない女」だなぁと思う。自意識過剰なのはわかっているが、消費をけん引するはずのF1層(20歳から34歳までの女性)でありながら、昔からブランド物に興味がなく、クルマも買わない。教育投資をはじめ、さまざまな支出の源泉となる子供は産まず、習い事や外食、旅行などにお金を使うこともない。唯一の趣味は貯蓄くらいだ。
「服とかカバンとか、欲しいものはないの?」
昨日も、バブル世代の50代女性と話していて、つくづく呆れられた。彼女は新宿伊勢丹が大好きで、仕事の帰りに立ち寄ると、つい、限定のデパコス(デパートコスメ)やスイーツを買ってしまうという。
「伊勢丹も外国人観光客が増えすぎて、日曜はゆっくり買い物できないのよね」
彼女とフロアを歩いていると、「ラデュレの新作、可愛いよね」とか、「トム・フォードの口紅、数年前にハマったのよ」と盛り上がるが、購入するのは彼女だけ。私は値段をチラッと見て、「げ......この化粧品、高すぎっ!?」と、財布の紐を固くする。
こんな高級品が、私などに買えるはずがない。別世界のものだとハナから思い込んでいるのだ。そうやって欲望を押さえ込み、6800円の化粧品の代わりに、ドラッグストアで680円の化粧品を買っては自分を満足させている。
「服や化粧品にお金を使うくらいなら、貯金したいんですよね。去年はユニクロで服をたくさん買ってみたけど、何回も着たらボロボロになって、結局ゴミ箱行きでした。それで虚しくなって、服なんて古着で十分だと思うようになったんです」