「世界のトヨタ」が30位に甘んじるワケ
その一方で、大リストラを迫られている大手銀行など金融・生保業界が軒並み順位を落とした。みずほフィナンシャルグループ(14位→28位)、三菱UFJ信託銀行(25位→37位)、三井住友銀行(12位→19位)、りそな銀行(39位→44位)、日本生命保険(50位→58位)、第一生命保険(55位→78位)などだ。
山田さんによると、「こうした金融関係の落ち込みで、相対的に人気が上昇しているのがメーカー企業です」という。
サントリー(9位→7位)、資生堂(22位→21位)、味の素(21位→20位)など、毎年上位の「人気御三家」の順位は2018年も大差がないなか、花王(33位→24位)、日清食品グループ(98位→64位)、アサヒビール(44位→38位)など順位を上げる企業が目立った。また、新たにサッポロビール(83位)、森永製菓(88位)、本田技研(91位)などがランクインした。
それにしても、「世界のトヨタ」が30位(昨年は31位)とはどういうワケか。ベスト5位に入ってもおかしくない超ビッグ企業のはずだが――。
山田さんはこう語る。「愛知県(本社・豊田市)に行きたくないというのが難関大学の学生のホンネです。中部地方の学生には圧倒的な人気があるのですが」
メーカー以外で大きく順位を上げたのがIT業界だ。楽天(86位→40位)やリクルートホールディングス(82位→53位)、グーグル(70位→57位)などウェブサービスを運営する企業が目立つ。インターネット広告のサイバーエージェントもこの分野に含まれる。ITが時代の最先端を突っ走っていることもあるが、「将来の起業を考えての人気も高まっています」と山田さんは指摘する。
「起業やベンチャーに興味を持つ学生が増えています。かといって、いくらブランド大学を出てもいきなり起業する自信はないので、楽天やリクルートなどでビジネスを勉強してから独立する計画を持つ学生が多いです」