ビックカメラで実験すると、思わぬ売上促進効果が
本当に万引きをするかどうかは、かなり正確、かつ厳密に判断するそうだ。広報担当者は、こう説明する。
「当社のショールームが東京・東銀座にありますが、『AIガードマン』の顧客向けに万引き行動を検知するデモンストレーションを行なっています。ただ、キョロキョロ、ウロウロするだけではダメで、お客様が相当本気になって、『万引きするぞ!』という行動をとらないと検知しません」
また、NTT東日本の広報担当者によると、製品化する前に、実際にドラッグストア・チェーンの「キリン堂」やビックカメラ有楽町店などの店内にシステムを設置。実証実験を繰り返した。すると、キリン堂では「客の見守り時間を短縮できたので、確保した時間を接客サービスに増やすことができた」という本来の目的どおりの効果があった。
一方、ビックカメラでは思わぬ「副産物」の効果もあり、広報担当者は、
「警報が鳴って、店員が怪しいと思われるお客様のところに駆けつけたところ、販売員を探して迷っていたそうです。『何かお探しでしょうか?』と声かけすることになっていますから、結果的にお困りのお客様への早期対応につながり、販売機会を逃さないことにも役立ったそうです。これからは、システムの提供にはこういう副次的な効果も強調していきたいと思います」
と語った。
ちなみに、価格はAI内臓カメラの初期費用が1台あたり23万8000円、クラウドサービス利用料がカメラ1台当たり、月額4000円、また録画した動画を保存するためのオンラインストレージ利用料(ギガ数に応じて値段は異なる)が、10ギガまでの場合で月額500円(いずれも、税別)となっている。