モフモフの猫の動画にニンマリしたり、気になるニュースを追いかけたり、芸能人のインスタに目の保養をしたり...... 仕事中にこっそりインターネットをのぞく人は少なくない。
こうしたネットの私的利用は「サボリ」とみなされることが多いが、そんな人に朗報だ。「仕事中のネットサーフィンは生産性を低下させない。むしろ退屈を紛らわせる自然な行為だ」という研究が発表されたのだ。
米国ではPCの私的利用に警報する企業も
この研究を行なったのは、イスラエル・ハイファ大学と米サウスフロリダ大学の合同チームだ。コンピューターと人間行動の国際専門誌の最新号に論文を発表した。
日本ではまだそれほど厳しくないが、米国では勤務中の私的なネットサーフィンを禁じる企業が多い。生産性を低下させるだけでなく、ネットワークの通信容量を余計に使うため、米国の企業は年間850億ドル(約9兆7000億円)の損失を負わされているという調査があるためだ。
ウォールストリートジャーナルの記事「仕事中の私的ネット利用をやめさせるには」(2016年3月15日付)によると、米アリゾナ州立大学が、サイトを「従業員が常に訪問できるサイト」「時々訪問できるサイト」「訪問できないサイト」の3つに分類し、仕事に関係のないサイトを訪問した場合には、パソコン画面上に警告を出すソフトウェアを開発、導入する企業が出始めているという。
従業員の通信を四六時中モニタリングするのは人権上の問題があるため、技術的にコントロールすることで、私的利用を抑え込もうという考え方だ。
今回の研究は、私的なネットサーフィンは本当に生産性を下げているのか、という素朴な疑問から始まっている。米心理学ニュースサイト「PsyPost」の記事「仕事場でネットを閲覧しても生産性の妨げにはならない。この記事を上司に送って!」(2018年5月21日付)によると、研究チーム・リーダーのシャニ・ピンデク博士(心理学)はインタビューにこう語っている。