女性社長の多い県、 1位と2位は南北に分かれて......
おもしろいのが女性社長の多い都道府県別ランキングだ。本社所在地でみると、最も多かったのが、なんと青森県で10.6%。2位は沖縄県の10.4%、3位が徳島県の10.4%だった。4位が佐賀県の10.0%、5位は奈良県の9.5%。
以下、高知県の9.5%、福岡県9.1%、大分県9.1%、香川県は8.9%、岡山県の8.9%と続いた。1位の青森県を除くと、九州や四国、中国、近畿の西日本に多い傾向がみられる。
一方、下位のワースト10をみると、最も低かったのが岐阜県で5.2%。2位が長野県の5.8%、3位が滋賀県の5.9%だった。
以下、愛知県の6.0%、静岡県6.2%、新潟県6.3%、石川県6.4%、埼玉県7.0%、山形県7.0%、福島県7.1%という結果になった。
こちらは中部や北陸、関東と東日本ばかりだ。見事に西高東低の傾向が表れたが、これはどういうことだろうか――。
加藤さんは「西日本のほうは女性が強く、東日本のほうが弱いという県民性の違いでもあるのでしょうか。正直言ってわかりません。ただ、女性社長1位の青森県と2位の沖縄県は説明がつきます」という。
青森県は夫婦や家族だけで営むファミリー企業が圧倒的に多い。現在、高齢化が進み、後継者難が深刻になっている。ところが「跡取り息子」が上京して働き、後を継ごうとせず、妻や娘が後を継ぐケースが増えているという。「ローカル色の強い県に女性社長が多いのは、農業の後継者難の問題と通じるところがあるとみられます」と加藤さん。では、沖縄県はどうか。加藤さんはこう説明した。
「沖縄の場合は、ほかの県と違って、歴史的に50年~100年以上事業を続けている『老舗企業』が非常に少ないという特徴があります。老舗企業は代々、息子がいなければ娘が婿をとるといったように、男性が後を継ぐ伝統があります。老舗企業が少ない分、沖縄は女性社長が多いと考えられます」