日大アメフト部も東芝も根っこは一緒 不祥事のタネは上司の「保身」にあり!?(大関暁夫)

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指示を断れば、「自分がアメフト部にいられなくなる」

   しかし、この「保身」が不祥事を招くという流れはリーダーだけの問題なのでしょうか。今回の日大アメフト部のケースでみてみれば、確かに監督、コーチという学生から見た絶対的な存在から出された指示・命令には逆らえない、という関係にはあったかもしれません。とはいえ、その誤った指示・命令には逆らえないということは、違反行為をした選手にとって絶対に覆しようのないことだったのか、という点に疑問が残ります。

   選手は会見で、「監督、コーチの指示を断れなかった自分が悪い」と自身の非を悔いていました。これは、自分の意思をしっかりもって正しい善悪の判断に従っていたなら、断ることはできたということを示唆した言葉でもあります。

   では、なぜ彼は現実には問題の試合で相手選手を「壊す」指示を断れなかったのでしょうか。それは彼の証言にあった、このままなら試合に出さない、練習もさせない、という厳しい現実をコーチから突きつけられたこと、さらに言えば、もしこの指示・命令を断れば、自分がアメフト部にいられなくなる、すなわち退部を余儀なくされる、そんな思いが湧き上がってきたことに違いありません。

   今の地位を守らんとするまさしく彼なりの「保身」が、そこにあったのは想像に堅くないのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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