フリーランスと企業を橋渡し 「振り向くホームページ」って何だ?

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   2017年に、国内のフリーランス人口が1122万人(ランサーズ「フリーランス実態調査2017年版」)まで増加したと聞けば、さぞフリーランスが多くの分野で活躍しているに違いないと思うだろう。

   しかし、「残念ながら、企業側がフリーランスを上手に利用する環境には、程遠い現状です。それどころか、大手企業は、コンプライアンスや情報管理などの観点から、フリーランスの活用にますます慎重になっていると感じます」。そう語るのは、プロイノベーションの社長で、2018年4月から、企業とフリーランスを結び付ける新サービス「振り向くホームページ」を始めた久原健司(くはら・けんじ)さんだ。

   今回、久原社長にフリーランスの活用に特化したビジネスを始めたきっかけや、新サービスについて話を聞いた。

  • 「フリーランスと企業の橋渡し」プロイノベーションの久原健司社長
    「フリーランスと企業の橋渡し」プロイノベーションの久原健司社長
  • 「フリーランスと企業の橋渡し」プロイノベーションの久原健司社長

企業がフリーランスを「使いこなせない」現状

   ―― 企業とフリーランスを結びつけるビジネスをはじめたとのことですが、フリーランスに着目した経緯はなんでしょう。

久原健司社長「まず、私の経歴について少しお話しさせてください。私は、以前から『会社に就くのではなく、職に就きたい、職人になりたい』と思っていました。そこで大学卒業後はシステムエンジニア(SE)を希望して、ある人材派遣会社に入社。その後、プログラミングを覚えたいと思い、小さなソフトウェア会社に転職。幸運にもSEとして独立することができました。

   その後、会社を設立して社員を雇うようになったのですが、震災の影響で得意先からの仕事が減るなかで、社員が得意な分野の仕事もとれず、このまま続けていてもいずれ会社が衰退し、最終的には解散になってしまうだろうと判断しました。そこで、社員に頭を下げ、3か月給与は支払い続けるので、その間に転職先ややりたいことを見つけてもらい、一たん会社をリセットしたのです。

   一人に戻り、多種多様なフリーランスの方と出会うことで、現状がよくわかったんです。手に職をつけて、『さぁ仕事をしよう』と思っても、よほど個人として有名でない限り、会社の看板なしでは仕事はとれないのだと。そのことはなんとなく、わかっていたのですが、そこは強烈な逆風でした。とはいえ、フリーランスに営業力がないというわけではなく、そもそも企業側がフリーランスを使わないという問題があることに気がついたんです。

   私も経営者なので、企業側の気持ちもわかります。フリーランスは『一人親方』のように、一定の仕事を個人として受ける場合が多いので、体調不良などでやむを得ない事情だとしても、納期が間に合わなくなったとか、品質に問題があれば、企業側にとっては非常なリスクなのです。

   でも、彼らの専門性をうまく使えれば、企業にとっては雇用するわけではなく、必要な時に必要な分だけ参加してもらい、それは大きな戦力になるはずなのです。そこで、大きな仕事を小さく切り分けることが得意で、フリーランスと長年一緒に働いてきた経験を持つ私が、彼らの活用方法を企業側に提案できたらと考え、新しいサービスを立ち上げることにしたのです」

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