給料や待遇面は変わらない
調査に寄せられたコメントでは、「無期雇用転換」を希望する理由について、
「次の更新があるのかないのか常に派遣切りの不安があるため、無期の契約ができれば更新ごとの不安もなくなるかと期待しています」(ととさん)
「いつ雇止めをされるのか不安が消えない状態で働き続ける負担がなくなるのがいいと思う。自分の能力や条件にあった職場なら長く働きたい」(Ukkaさん)
「正社員に登用される機会が増えると思うため」(ぴっころさん)
などと、正社員への道が拓け、安定雇用につながることへの期待がある。
ただ、
「ルール自体はいいと思うが、個人的には短期の仕事をしたい。同じ仕事を長くしたくないので」(雪さん)
「自分には派遣でいるメリットのほうが今は高いから」(まちゃよさん)
など、「現状のままでよい」との声も。
その一方で、「希望しない理由」をみると、
「正社員と同じ仕事、同じ時間働いているのに、給与やボーナス、福利厚生においても不利だから」(まゆひめさん)
「正社員とは違うので、ボーナスがないから」(tosiさん)
といった給料や待遇面への不満がみられる。無期雇用に転換しても、こうした不満は解消されないと考えているようだ。
会社側も「対策」を講じているようで、ある百貨店では有期雇用の契約期間をこれまで1年ごとの更新を、この4月から6か月ごとの契約に雇用期間を短縮した。有期契約のパートやアルバイトが会社に無期転換を申し出た場合、会社はこれを断ることができない。そのため、雇用期間を短縮することで、職場の人員を調整しやすくしたとみられる。
ディップの広報担当者は、「まだまだ認知度が低いことはありますが、労働者側の理解が進めば(無期雇用への転換を)希望する人は増えてくると思います。その一方で、今回の調査からは企業側の課題として、給与や待遇面の改善への対応が求められていることが浮き彫りになりました」と話している。