富岡製糸場「最後のオーナー」片倉工業 株主優待で「支援」続ける

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   繊維や医薬品、機械関連事業などを営む片倉工業は2018年5月16日、株主優待制度を通じて28万1000円を、世界文化遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)に寄付する。97人の株主が寄付に賛同した。

   株主の社会貢献意識の高まりから、東日本大震災の復興支援や、福祉や教育支援などへの寄付を株主優待制度に組み込む上場企業は年々増えている。片倉工業は、富岡製糸場が世界文化遺産に登録が決まった2014年に株主優待制度を新設。「保全の一助になれば」(広報・IR室)と、支援を続けている。

  • 片倉工業は富岡製糸場の最後のオーナーだった(提供:富岡市)
    片倉工業は富岡製糸場の最後のオーナーだった(提供:富岡市)
  • 片倉工業は富岡製糸場の最後のオーナーだった(提供:富岡市)

富岡製糸場への「強い思いある」

   片倉工業の株主優待制度は、富岡製糸場(現在は富岡市が管理・保全)への寄付と自社製品(肌着など)が選べる仕組み。寄付は100株以上を保有する株主が対象で、保有株数が100株以上1000株未満で1000円を寄付。1000株以上3000株未満が2000円、3000株以上が4000円を寄付する。

   富岡製糸場への寄付は今回4回目で、累計で118万7000円に達した。広報担当者によると「毎年継続して寄付してくれる株主もいらっしゃって、平均すると、毎年100人前後、約30万円のご支援が集まります」と話す。

   官営・富岡製糸場は1872(明治5)年に開業。1893(明治26)年に三井家に払い下げられ、1939年から2005年までの66年間、片倉工業が保有していた。自動繰糸機を導入して作業効率を上げ、大量生産を可能にしたことで、「シルク」を多くの人に届けており、1987年の操業停止後も施設や機械の一つひとつを18年間、守り続けてきた。

   寄付について、広報担当者は「あまり金額は多くないかもしれませんが、2005年以降、世界文化遺産の登録に向けて施設を管理、保全してきた強い思いがあります。それもあって、今後も保全活動など、支援できることを続けていきたいと思っています。株主優待制度を通じて賛同いただいている株主には、心より御礼申し上げます」と語った。

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