社員一丸は難しい! 「世代間ギャップ」を埋めるために社長がすること(大関暁夫)

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「複合組織」の融合に悩む

   ついでに申し上げると、バブルとゆとりの間に位置する現在の管理職たちは、バブル期とは正反対な、就職氷河期世代です。彼らの代表的世代である99年の新人は、「形状安定シャツ型」。厳しい指導にも耐え丸洗いもOKという、自信も失われ仕方なく組織におとなしく従う世代であると言っていいでしょう。

   そんな世代から見れば、売り手市場で就職活動にさほど苦労を経験していない今の世代は「超甘ちゃん」という声もあって、職場で相容れないことも多いのだと聞きます。

   自身は就職氷河期の入社である某上場企業の人事課長Y氏は、「昭和→バブル→氷河期→ゆとり世代」という相容れない複数世代の混合組織の人事交流の難しさについて、こんなことを言っていました。

「ゆとり教育で育ち、就職活動でもさほど苦労していない世代は、我慢がきかない子が多いです。そのうえ昔と違って転職が当たり前の時代ですから、就職先が一生の職場なんて考えている者のほうが少ない。だから、せっかく採用しても下手すると『自分に合わない会社だった』とか『思っていたのと違っていた』などと言って、躊躇なく辞めてしまいます。その意味では、新人を会社の文化に染めることばかりを考えるのではなく、うまく会社の考え方と彼らの考え方をバランスさせていく、そんな努力も会社サイドに求められる時代になったように思います」
大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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