「複合組織」の融合に悩む
ついでに申し上げると、バブルとゆとりの間に位置する現在の管理職たちは、バブル期とは正反対な、就職氷河期世代です。彼らの代表的世代である99年の新人は、「形状安定シャツ型」。厳しい指導にも耐え丸洗いもOKという、自信も失われ仕方なく組織におとなしく従う世代であると言っていいでしょう。
そんな世代から見れば、売り手市場で就職活動にさほど苦労を経験していない今の世代は「超甘ちゃん」という声もあって、職場で相容れないことも多いのだと聞きます。
自身は就職氷河期の入社である某上場企業の人事課長Y氏は、「昭和→バブル→氷河期→ゆとり世代」という相容れない複数世代の混合組織の人事交流の難しさについて、こんなことを言っていました。
「ゆとり教育で育ち、就職活動でもさほど苦労していない世代は、我慢がきかない子が多いです。そのうえ昔と違って転職が当たり前の時代ですから、就職先が一生の職場なんて考えている者のほうが少ない。だから、せっかく採用しても下手すると『自分に合わない会社だった』とか『思っていたのと違っていた』などと言って、躊躇なく辞めてしまいます。その意味では、新人を会社の文化に染めることばかりを考えるのではなく、うまく会社の考え方と彼らの考え方をバランスさせていく、そんな努力も会社サイドに求められる時代になったように思います」