「専門家はカッコいい」「スキルを持つと転職にも有利」
このドライで柔軟な考え方は、将来のキャリア志向についても表れている。
「将来、会社でどのような役割を担いたいか」との問いには、「専門性を極め、プロフェッショナルの道を進みたい(専門家)」が33.4%で、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行ないたい(管理職)」(24.8%)を大きく引き離した。
専門家になりたい人が管理職を希望する人を上回り、トップである傾向は、調査を始めた2014年からずっと続いている。これも、平井さんによると「新入社員にとって、専門家のほうが管理職よりカッコよく見えることもありますが、専門家としてスキルを持っていれば、他でも働くことができ、食いっぱぐれないという考えが強いのです。その会社で管理職として上り詰めても、他の会社に行けば通用しませんからね」という。
おもしろいのは、専門家にしろ、管理職にしろ、将来のキャリア志向をはっきり決めている人は、新入社員の時からよく勉強していることだ。
「社会人としてスキルアップするために取り組んでいること」(複数回答)を聞くと、1位が「人脈を通じで先輩などから学ぶ」、2位が「スマートフォンやPC上の学習アプリを使って勉強する」、3位が「ビジネス本を読む」だが、それぞれ実践している人の割合は、将来何を目指すか決めている人が、「わからない」と答えた人より1.4~1.9倍も高かった。
また、入社後の働き方について聞くと、男女とも「定時に帰りたい」と答えた人がトップ。調査開始以来ずっと1位だった「週に2~3回までの残業なら」を初めて追い越した。「定時に帰りたい」人は、2014年は27.4%だったが、18年には42.0%に。4年でじつに15ポイント近くも増えたことになる。
ちなみに、一番少ないのが「毎日残業でもかまわない」という「昭和のモーレツ社員タイプ」で、わずか6.0%だった。