「出世より定時帰宅が大切」「管理職より専門職を目指す」、そして「今の会社で働き続けたい」と考えている人は半数足らず――。今春の新入社員の意識調査で、こんな若者気質が浮き彫りになった。
企業の人材育成・研修に特化したコンサルティング会社、トーマツイノベーションが2018年4月26日に発表した「2018年度 新入社員意識調査」で明らかになった。
「今の会社で働き続けたい」は半数
調査ではまず、「今の会社で働き続けたいか」との問いに、「働き続けたい」と答えたのは約半数の53.8%だけ。「そのうち転職したい」と答えた人が約2割の16.7%もいた。 2015年の調査では、「働き続けたい」と答えた人は63.4%だったから、わずか3年で一気に10ポイント近くも減った。また、「そのうち転職したい」と答えた人も2015年には9.9%で、転職志向の割合も3年間で7ポイント近くアップしたことになる。
それにしてもなぜ入社早々、次の会社や仕事のことを考える若者が劇的に増えているのだろうか――。J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じたトーマツイノベーション広報担当の平井裕介さんはこう語った。
「最近の若者は、1社だけに『就社する』のではなく、企業を渡り歩く、あるいは自分で起業するという考え方が当たり前になっています。入社してみて自分に合わなければ、以前なら我慢するとか、人に相談しましたが、今はさっさと辞めて他を探します。背景には空前の売り手市場で、自分で会社を選びやすくなったことと、企業側が副業や兼業を認める傾向になったため、1社だけに勤め続けるという考えがどんどん薄くなったことがあげられます」