あっという間にゴールデンウイークも終わりだじぇい。長い休みで、「あ~ 仕事に行きたくないなぁ」「働きたくないなぁ」などと、無気力になっている人は少なくないのではないきゃすか――。
モチベーションが上がらず、いわゆる「5月病」のような感じがするなんてことも。キャリアコンサルタントの木村俊夫さんに、連休明けのモチベーションを保ち、さらに引き上げていく方法を伝授してもらったじぇい。
新年度は生活のすべてが変わる
そもそも、ゴールデンウイーク明けって、なんでテンションが低くなるんきゃすか?
ゴールデンウイーク明けにテンションが低くなりがちなのは、まとまった休みをきっかけに心身の疲れが顕在化していくことが、一つの原因です。
テンションが低いという状態とは、心身にある自覚症状を理由とした場合が多く、そのためにテンションが上がらないとおっしゃる方が多いように感じます。例をあげるなら、頭痛がするからテンションが上がらないとか、仕事だと考えると寝付けなくなってしまい、その結果、睡眠が足りておらずテンションが上がらないとか、そのような訴えをよく耳にします。
4月は年度の初めということもあり、一人ひとりにさまざまな出来事があったのではないでしょうか。会社の中だけではなく、生活を含めたすべてで、です。
具体的には、会社で配属が変わった、異動になった、出向が決まったなどがあげられます。私生活では、新入社員としての最初の一歩だったり、子どもが進学したり、引っ越しがあったりなど、他にもいろいろと考えられます。
このように、4月はあらゆることが前年度とは違った環境におかれやすい月なのです。
人は、環境が変わるとその環境に慣れようと努力します。その中で自覚がなくても、日々疲労とストレスは溜まっていきます。そして、それが知らず知らずのうちに、頭痛や睡眠不足といった「テンションが上がらない」状態につながる症状を出してくると考えられます。
どうして、「やる気」が起きなかったり、モチベーションが上がらなかったりするんきゃすか?
やる気が起きなかったり、モチベーションが上がらなかったりする原因は、新たな環境の変化にカラダが慣れていないことに加えて、目標が立たないなど、先が見えないことによる不安が考えられます。
新年度が始まり、新しい環境の中で早く慣れようとすると、覚えることが多かったり、新しい人間関係をつくるためにいつもより過剰にコミュニケーションをとっていたりする方をよく見ます。
当然、仕事をするうえではその部署の仕事を覚えることや、一緒に毎日働く方とのコミュニケーションはとても大事です。しかし、覚えることや人間関係を構築するということは仕事するうえでの前提であって目標や結果ではありませんし、直接の評価に結び付かない場合も多かったりして、自分に対する信頼感や有能感、期待感(自己効力感)が落ちがちになります。
その結果、「私はもっと戦力になるつもりでいたのに......」とか、「研修の後、現場で学ぶそうだがいつまで続くんだろう......」といったように、4月初めに思っていた活躍している自分像と1か月経過後の現実の間でギャップが生まれ、先が見えなくなることでやる気が起きなくなることに繋がるのです。
モチベーションが上がらない人はこんな人
「やる気」が起きない、モチベーションが上がらない人の傾向って、あるんきゃすか?
明確にあるとはお伝えできませんが、傾向を感じることはあります。
たとえば、几帳面でやることを常にきちんとやりたいと考えている方や、この会社で○○を成し遂げたい! といった夢を抱いている方は、少し肩の力を抜くほうがいいなと感じることが多いように思います。
いい仕事をしよう! 来年の目標に向けて頑張ろう! といったように、4月は自分の中で1年の計画を立てたりするケースがとても多いです。半面、慣れない環境ゆえに自分の計画どおりに事態が進まず、モヤモヤすることもとても多いものです。
計画のうえではスタートしたのに1か月たった今も前進が感じられない。そんな状態になったとき、目標をしっかり持った方や几帳面できちんと仕事をこなしたい方は、環境に慣れるためのストレスに加えて、自分でストレスをつくっているような状態になりがちなのです。
ただ、「自分は楽観的なところが持ち味だから大丈夫」といったように考えることだけは注意してください。人は、自覚がないところで無理をしていることは意外と多いのです。
たとえば、楽観的な人であれば、慣れない仕事の依頼がたくさんきても、大丈夫! 何とかなる! と思えることから、ストレスに感じないことも多くあるでしょう。しかし、受けた仕事の完成度や短期間での締め切りを求められていたらどうでしょう。気持ちのうえでは何とかなると思っていても、それを何とかするのは他ならない自分なのです。無理して仕上げた結果、休日返上だったり、残業がかさんだりと疲れがたまっていたりするものですから、楽観的に仕事に取り組める方であっても注意は怠らないでくださいね。(木村俊夫)
家庭教師・公務員試験対策講師を経て、30歳で小説家を志し活動したが失敗し挫折を経験する。そんな中での再出発がキャリアコンサルタントだった。とくに過去の経験から自分のことを自分で決められないケースを多く扱ったことから、今後は一人ひとりが自身と向き合うための手伝いがしたいとの強い思いで現在の道を進んでいる。2018年から、一般社団法人セルフキャリアデザイン協会の理事。https://self-cd.or.jp/