社員の不祥事 「火消し」に失敗しないために、社長が打つべき一手とは?(大関暁夫)

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   アイドルグループ、TOKIOの山口達也メンバーがわいせつ容疑で書類送検された件が、世間を賑わせています。

   山口メンバーが個人だけでなく、グループとしてのテレビでの露出も多かっただけに、本人のみならずグループやジャニーズ事務所のイメージにも大きな影響を与えそうな事件ではあります。

  • 社員の不祥事、対応を誤ると……
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消費者向けビジネスの恐ろしさ

   この件を耳にして、地域の飲食店チェーン経営Y社関連が数年前に引き起こした不祥事を思い出しました。

   それはY社が運営する店舗の店長が逮捕された、というニュースでした。しかも、盗撮容疑。事件は店舗とは関係のない公共の場で起きたものでしたが、勤務先や実名が新聞報道などで広まったがために「あのお店の店長さんらしいよ」などといったウワサが、地域では口コミやインターネットの情報でかなり広まってしまいました。

   Y社のK社長は事件後しばらくして、次のように話してくれました。

「あの事件には本当に参りました。事件そのものには『まさか、彼が!』と本当に驚きましたが、本人を懲戒解雇することで一件落着と思っていたことが甘かった。事件後、全店舗で売り上げが激減。うちは都会のチェーンではないので、ウワサがウワサを呼んで、まるでうちの店が犯罪者であるかのような印象にもなったのかもしれません。倒産の危機に瀕するほどの打撃を被ったのです」

   おそらくは、「あの盗撮犯はあの店の店長だった → あの店は盗撮犯の店 → あの店は危ない → あの店には行きたくない」という連想思考で、全店の来店客が激減したのでしょう。

   ここがB to C(消費者向け)ビジネスの怖いところでもあります。B to B(企業対企業)ビジネスであれば、仮に社員が事件を起こしたとしてもそれがプライベートな問題であるなら、「弊社社員が世間をお騒がせして申し訳ございませんでした」という、お詫びの一言で、特段取引に大きな影響が出るのは考えにくいものです。

   しかし、消費者相手のビジネスではイメージも重要な購買要素であり、Y社のようなことも大いに考えられるのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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