全国のホテルや旅館が絶好調だ。帝国データバンクによると、ホテル・旅館経営業者の2016年度の収入高合計は、前年度と比べて2.1%増の4兆9012億円と、過去10年間で最高だった。2018年4月20日の発表。5年連続で前年度を上回った。
訪日外国人や日本人の国内旅行者数は年々増加しており、全国のホテルや旅館の稼働率は高い。
地域別では「近畿」がトップ
2016年度の収入高の動向を、ホテルや旅館の年商規模別にみると、増収の構成比で「100億円以上」が62.1%を占めてトップだった一方、「1億円未満」の増収は最も低い14.6%にとどまった。年商規模が大きなホテルや旅館ほど増収の構成比が高く、年商規模による二極化が明らかとなった。
また、地域別でみると、インバウンド消費の伸び率が高かった「近畿」が33.1%と、11地域中で最高の増収構成比となった。観光客数で伸び悩んだ「東北」や、北陸新幹線の開業効果の反動減が影響した「北陸」は減収の構成比が高かった。
業歴別にみた構成比では、増収は「10年未満」の38.2%、減収は「100年以上」の27.5%が最も高くなった。帝国データバンクは、「業歴が長くなるにつれ、事業を多角化するケース」を指摘しており、宿泊事業以外の業績が落ち込んだホテルや旅館の減収が目立ったという。
また、宿泊施設の新設やリニューアルなどが活発化する半面、民泊業者との競合や従業員不足などの課題にも直面している。
なお調査は、同社のデータベースに収録されているホテル・旅館経営を主業とする7915社が対象。