前回は、資金調達の方法について教えてもらったじぇい。借りるか、もらうかが現実的みたいだけど、やっぱり返さなくていい「もらう」を狙っていきたいと思っているんだじぇい。そこで、種類とか、もらえる条件なんかもあるんできゃすか?
えっ、お金がもらえる? 補助金や助成金について知ろう!
返さなくていいお金って、どうやったらもらえるんきゃすか?
返済義務のない補助金や助成金は、カス丸くんだけではなく誰しもがほしいものです。ただし、前回お話ししたとおり、そう簡単にもらえるものではありません。そもそも、補助金や助成金とは何なのかをまず説明しましょう。
補助金や助成金は、国や自治体などが創業や新規事業の支援、地域振興などを目的として用意している制度です。特に補助金は、期間中に申し込み手続きを行い、審査を通過して採択された事業者のみが受給対象となるため、ハードルは高めです。
ただ、このような審査を通過すると「国のお墨付きを得た」事業だと判断されて、金融機関からの融資を受ける際にも有利になる可能性もありますので、そういう意味でもやってみる価値はあります。
簡単にはもらえないけど、もらえたときは金額以上の価値があるってこときゃすね。
そのとおりです。大きく分けると、補助金や助成金は3つのタイプに分類できます。
(1)国の助成金
雇用関係(主に厚生労働省)と研究開発型(主に経済産業省)に分かれ、雇用関係としては、雇用の促進や、労働者のキャリアアップなどを対象とするものなどがある。基本的には要件を満たす事業者が期間中に申請すれば受け取れるものが多い。
(2)国の補助金
国の政策目標に合致する事業展開や事業拡大に取り組もうとする事業者をサポートするために給付されるお金。起業支援や中小企業振興などを目的とするものや、特定の規模の事業者を対象とするものなど、目的や対象が細かく分かれている。申請(公募)期間が短めで、補助上限額が決まっているが多く、要件を満たして申請しても、必ず受給できるというわけではない。採択率は低め。
(3)自治体の助成金や補助金
各自治体が、地域の産業振興などを目的として、それぞれ設けている独自制度。地域によってさまざま。制度の充実している自治体で開業するのも一つの方法です。
補助金や助成金はいろいろ、まずチャレンジしてみよう!
へぇ~! 思ったよりたくさんあるんきゃすね! でも、どれか一つぐらいならゲットできるんじゃないきゃすか?
前向きなのはいいことですが、甘いですよ。これらをゲットするにはコツがいるんです。
まずは、まめに情報収集を行うこと。制度によっては、公示や受付期間が短いものや、事前に手続きが必要なものもあります。関係省庁のホームページのチェックをしたり、専門家へ相談したりして素早く情報を手に入れましょう。特に、国の予算が決まる年度明け(4月)に、助成金や補助金の発表が多いです。
それから、早めの申請も大切です。決められた予算がなくなると、予定より早く受付が終了することもあるので注意してください。
なお、受給の条件に当てはめるために、不必要な人員や設備を増やすような、本末転倒なことはやめましょう。あくまでも、「もらえたらラッキー」ぐらいに考えておいてくださいね。
やっぱり「もらう」のは難しいようだじぇい...... やっぱり、「借りる」ほうが現実的なんきゃすね。
難しいですが、最初からあきらめず、トライすることは大事ですから、まずは条件に合う助成金や補助金があるか、調べてみましょう。
次回は、より現実的な「借りる」、融資についてご説明しますね。
【ポイント2点】
●補助金や助成金は、国や自治体などが創業や新規事業の支援、地域振興などを目的として制度。
●補助金の受給については、ハードルは高めだが審査に通ると国のお墨付きを得た事業だと判断されるため、融資を受ける際にも有利になる可能性も。