コンビニが詐欺に悪用されやすいワケ
国民生活センターでは、次のような事例を紹介している。
【事例1】
「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」というハガキが届き、利用したことがある会社から訴状が提出されたと記載されていた。裁判取り下げ期日が当日だったので、あわてて電話すると、取り下げ担当窓口で国選弁護士を名乗る者を紹介された。「弁護士」に連絡すると「取り下げ料金10万円をすぐに支払うように。他人には絶対に言わないように」と言われ、指示どおりにコンビニで「支払番号」で支払った。その後、請求内容を不審に思い、弁護士に電話すると、「会社に電話するように」と言われた。「会社」に電話しても誰も出ず、「弁護士」とも連絡がつかなくなった。
【事例2】
スマホに大手通販業者の名前で料金未払いを連絡するSMSが届いた。以前登録したアプリの利用料金約30万円を請求する内容で、法的手続きをとると記載されていた。電話すると、「いったん支払えば後日清算して返金する」というので、コンビニでプリペイドカードを購入、番号を相手に伝えた。その後、別のインターネット会社を名乗る者から電話があり、「調査の結果、他に3~4社分で総額約90万円の未納があるが、今なら追加で約40万円支払えばすむ」と言われ、同様にプリペイドカード購入で支払った。しかし、いまだに返金が来ない。
このように、いずれもコンビニを支払手段にしているのが特徴。コンビニは店舗数が多くて気軽に行け、営業時間が長いうえ、さまざまな支払いができるため、詐欺に悪用されやすい。しかも、銀行など金融機関の窓口では特殊詐欺に合わないよう、行員教育が徹底して目を光らせているが、コンビニの窓口はアルバイトの場合が多く、無防備に近い。
国民生活センターではこうした詐欺に遭わないよう、こう呼びかけている。
「未納料金を請求されても、決して相手に連絡してはいけません。相手とのやりとりの中で、自分の情報を相手に知られてしまい、それをもとにさらに多くの金銭を要求されることになります。特に、コンビニで支払うよう要求された場合は、不審な取引ですから絶対に応じてはいけません」
そして、不安に思ったり、架空請求かどうか判断がつかなかったりした場合は、すぐに消費生活センターのホットライン(局番なしの188=いやや!)や、警察(相談専用電話:#9110)に電話するようアドバイスしている。