共働き世帯が増えて、手軽に調理できる冷凍食品の利用が広がっているなか、冷凍食品を月1回以上使う人の割合が、前年と比べて2ポイント増え、初めて80%に達したことがわかった。
食品メーカーなどでつくる日本冷凍食品協会の「冷凍食品の利用実態調査 2018年」によると、男性の利用が増えており、広報担当者は「単身者はもちろん、既婚者でも自分で買って自分で調理しているケースが増えているようです」と話す。
「ほとんど、またはまったく使わない」年々減少
調査によると、過去3年で冷凍食品の利用頻度が「増えた」人は、女性の場合で前々回(2016年)は14.1%、前回(17年)は21.3%、今回(18年)は25.8%。男性の場合では前々回が14.2%、前回は20.6%、今回が23.0%と着実に増加している。
その半面、冷凍食品を「ほとんど、またはまったく使わない」人は2割前後で年々減少している。
1年前から利用頻度が増えた冷凍食品は、女性は「冷凍野菜」で33.8%。協会の広報担当者は2018年4月24日、J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に、「生鮮野菜が天候不順で高騰したため、その代替で需要が伸びた」と指摘する。
次いで「ギョウザ」の32.5%、「うどん・そば・ラーメン(麺のみ)」が26.4%、「ピラフ・炒飯」23.7%、「からあげ」21.9%、「スパゲティー」の21.1%など。「何らかの利用が増えた冷凍食品がある」割合は73.8%にのぼった。
また、男性は「ギョウザ」の37.6%、「ピラフ・チャーハン」の29.1%、「うどん・そば・ラーメン(麺のみ)」28.3%をはじめ、ほとんどの調理品で女性よりも高い割合で利用した。
「ギョーザ」「チャーハン」CM効果で売れる
冷凍食品の購入目的をみると、女性は57.3%が「自宅で食べる夕食」(前年比5.8ポイント増)、男性は43.5%が「自宅で食べる昼食」(5.1ポイント増)と、大きく増えた。
男女とも購入場所の9割が「スーパーマーケット」だが、「ドラッグストア」や「コンビニエンスストア」の利用も増加傾向にあり、「購入場所の選択肢が広がっていることが、結果的に全体の利用増につながっている」とみている。また、若い人ほどコンビニやドラッグストアの利用が高いこともわかった。
そうしたなか、注目されるのが男性の購入状況で、既婚男性の32.6%が冷凍食品を「自分で購入して、自分で調理している」と回答。「こうした傾向は年々増えています」と話す。
簡単で便利なことから利用が増える冷凍食品だが、最近では「手ごろな値段で、おいしい」と評判で、「ギョーザ」や「チャーハン」などはテレビCMの効果もあって、購入に直結するケースも多いという。