少子高齢化で学生数がどんどん減り続けて、定員割れの私立大学が半数近くに達している。 そうしたなか、私立大学を運営する法人の4割近くが赤字経営となり、2割近くが3期連続の赤字という危機的状況に陥っていることが、帝国データバンクが2018年4月26日に発表した調査でわかった。
定員割れの私立大学は、ついに半数近くに
文部科学省によると、18歳の人口は1992年の205万人をピークに減りはじめ、2009年以降は120万人前後で横バイを続けていた。しかし、2018年から再び減少に転じて、2031年には100万人を割り込むと推定されている。
また、日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、私立大学の定員割れは約20年前には3.8%に過ぎなかったが、2016年度にはなんとほぼ半分にあたる、44.5%に跳ね上がっており、いわゆる「私立大学の2018年危機」が始まろうとしている。
帝国データバンクの調査によると、実際、2012年には山口福祉文化大学(山口県萩市)を運営していた学校法人萩学園が経営破たん(負債額41億円)、2013年には創造学園大学(群馬県高崎市)運営していた学校法人堀越学園が経営破たん(負債額45億円)している。
調査は私立大学を運営する全国の544大学法人(短期大学法人を除く)のうちの498法人を対象に、2014~16年度決算の年間収入、損益などを分析した。それによると、498法人のうち16年度の損益が判明したのは438法人で、その62.8%に当たる275法人が黒字となっていた。
37.2%にあたる163法人が赤字経営だったが、その内訳をみると、14~16年度の3期分の損益が判明した422法人のうち、19.9%の84法人が「3期連続赤字」、6.4%に当たる27法人は「2期連続赤字」となっている。
「3期連続赤字」は金融機関からの融資に黄信号がともるといわれるから、経営危機に陥る可能性がある大学が2割近くあることになる。