「でんさい」は急成長
手形の減少は中小企業の資金調達にも変化をもたらしている。受取手形を手形割引や裏書譲渡に使えず、資金余力に乏しい企業は金融機関への依存度を高めている。
一方、2013年2月にスタートした全国銀行協会の電子記録債権(でんさい)は急成長している。利用者登録数は2017年12月末で45万2600社を数え、スタート時から9.9倍に増えている。また、2017年の発生記録請求金額は、前年比33.5%増の14兆9128億3700万円と大幅に増えた。
ただ、いまだ手形交換高の3.9%にとどまっているほか、利用者登録数は頭打ちの傾向にある。
激減したとはいえ、手形交換高は374兆円超にのぼり、現在もなお手形が中小企業の資金繰りに重要なことは変わらない。