安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果に対する企業の評価が、100点満点で62.4点だったことがわかった。帝国データバンクが「2018年度の業績見通しに関する企業の意識調査」を、2018年4月12日に発表した。1年前と比べて0.7ポイント減と、評価が下がった。
アベノミクスが始まって以降の、この5年余りを企業が評価。同社の窪田剛士氏は「60点を超えていれば、企業はおおむね良好とみています」とコメント。ただ、中小企業の見方は依然として厳しい。
「先行き暗い」と「0点」評価の企業も
帝国データバンクによると、アベノミクスの効果について「60点以上」と評価した企業が寄せた意見は、
「製造業の活況、国内雇用政策の安定、景気支援対策、地方対策がうまく寄与している」(石灰製造、岐阜県、99点)
「アベノミクスにより確実に景気がよくなっているので、設備投資が旺盛に推移している。アメリカ、欧州の景気が年内持続すると予想されるので、今期の見通しは明るい」(精密機械器具卸売、鳥取県、95点)
などと高得点の評価。ただ、高く評価しながらも中には、
「デフレ脱却をほぼ達成した成果は大きい。ただ、細部まで効果が行きわたっているわけではない(放送、島根県、78点)
「景気は上振れ傾向だが、あまり生産性が向上されていない(ソフト受託開発、東京都、65点)
と、辛口の意見もある。
一方、60点未満の意見では、
「外需依存型大企業向けの短期的政策。長期的国富、地方や中小企業を含めた国全体と国民全体の生活と幸福の向上への視点に欠け、アプローチとして逆効果の部分もあるように思う」(和洋紙卸売、愛媛県、29点)
「内需がまったく回復していない。外需頼みであること、外国人観光客への依存度が高すぎる(金属プレス製品製造、埼玉県、10点)
「目先の金融政策・成長戦略・政策支援ばかりで、先行きが暗い」(土木工事、群馬県、0点)
などの厳しい評価もある。