中国政府、「キャピタルフライト」にNO!
もう一つの大きな要因は、キャピタルフライト(資本逃避)です。少し前は、ビットコインといえば中国で流行っていたことをご存知の方が多いでしょう。
中国では、自国資産を海外に移動させることに多くの制限があります。たとえば、外貨両替は1年にたった5万ドルとされています。しかし、ビットコインであれば取引所で両替して、そこから米ドルやユーロに替えることができます。また、国内を出る時もウォレット(仮想通貨を保管する場所、電子財布)に入れておけば札束を持ち出すより遥かにラクです。
しかし、そこに目を付けた中国当局は主に「仮想通貨と人民元の取引を規制」。国内の資産流出に歯止めをかけはじめました。その後、ICO (イニシャル・コイン・オファリング=企業がプロジェクトを遂行するために仮想通貨を使用して行う資金調達のこと)やマネーロンダリング規制に乗り出した後は仮想通貨取引の禁止や関連アプリの利用なども禁止しています。
法定通貨と違って、法整備や本人確認などが追い付いていなかった仮想通貨は、電子マネーなどと違い法定通貨と両替できる特性を持っています。そのため、資産の移動手段としてもってこいの決済手段であったといえるでしょう。
新興国の政府が躍起になる理由はこれです。
「国境を超える」新たな投資対象として注目
また、日本や米国でも新たな投資先として、仮想通貨の人気が出ました。ビットコインを保有しておけば、投資金額の100万円があっという間に1000万円にまで増えるなどと、その価格上昇のダイナミックさが報じられたことで注目を浴びたのです。
仮想通貨は、新興国の人でも投資がしやすい環境が整っていることから、世界中から資本が集まりやすい環境であることは間違いないのです。たとえば、東証の株式をアフリカの人が購入することは困難ですし、同様に日本人が南米の証券会社の株式を購入することは困難です。
しかし、仮想通貨であればスマホ1台あれば、国境を超えて同一の商品に投資することが安易なのです。
各国、それぞれ事情は違えども、こういったタイミングが重なりビットコインをはじめ、仮想通貨が上昇に至ったというワケです。
2018年4月時点で、仮想通貨市場は一時の盛り上がりと比べると、低迷しているようにみえます。ただ、ビットコインの価格はいまだ2017年11月の水準にあります。インターネットに次ぐ発明と言われているブロックチェーン。仮想通貨の価格が、このまま終わりを迎える可能性は到底考えられません。
今後はさまざまなブロックチェーン技術が実用化されると思われますし、新規参入企業も相次いでいます。2017年に、ようやく一般の人にも注目されはじめた仮想通貨。今後はより大きなムーブメントを巻き起こすのではないでしょうか。(ひろぴー)