新興国での利用が活発
日本ではビックカメラなどの家電量販店や一部の飲食店でビットコイン決済が可能となっています。しかし、実際に日本人がビットコイン決済を行うメリットはあるのでしょうか?
たまたま手元に現金がないなどの場合を除き、現金決済やクレジットカード決済の方がポイントも貯まります。わざわざビットコイン決済にするメリットはないように思えます。
しかし、新興国や発展途上国の場合どうでしょう? 事例をみていきます。
インフレ体質の国に、仮想通貨は救世主!?
たとえば、南アフリカ共和国の例です。
この国は、自国通貨の不安定さが欠点です。
南アフリカの通貨ランド(ザールとも呼ばれる)は、常に不安定な状態であり、円や米ドルに対して長年下落が続いています。そうすると、貯蓄していたとしても、その価値が減少してしまう事態に直面します。それゆえ、これでは安心して生活していけません。
そこで不安定な自国通貨のまま保有しているくらいなら、米ドルを使うようになってしまうのです。
ただし、その米ドルでさえも偽札の可能性もあります。また、20ドル以上の紙幣は信用がありません。結局のところ、新興国や発展途上国は先進国以上に安心して資産を蓄えることが困難なのです。
さらに新興国の銀行でも、自国通貨と米ドルの換金手数料が非常に高く、生活に余計な出費があるのは現在でも問題となっているのです。 そこで昨今、ビットコインを保有していたほうが値上がり益も期待でき、なおかつ偽物の可能性はゼロといってよく、安全に管理できるということで「デジタル資産」に注目が集まりました。
彼らは銀行口座を持つ割合が少ないのですが、スマートフォンや携帯電話は普及しています。そのため、銀行に貯金できなくてもスマホを保有していればビットコインで資産管理をすることが可能なのです。
もともと南アフリカでは自国通貨不安が広がっていたために、Tポイントなどのポイント経済が普及していた背景がありました。その規模は巨大で、一説によると南アフリカの国内総生産(GDP)の半分がポイント経済ともいわれています。
そのため、ビットコインによる決済は、南アフリカのほうが日本よりも遥かに普及しており、街のカフェや本屋で当たり前のようにビットコインで買い物ができる環境にあるそうです。
ちなみに、韓国でも仮想通貨が非常に流行っていますが、これは北朝鮮による不安で、自国通貨が売られやすくなっていることが要因にあるともいわれています。