広告大手の電通は、労働環境改革の加速と社員一人ひとりの成長を後押ししていくため、毎月1回、平日に休暇を取得する「インプットホリデー」を、2018年6月から試験導入する。4月16日に発表した。
この日はコンディションを整えたり、自己啓発に打ち込んだりするなどして、よりよいアウトプットのために自分にインプットする日とする。
社員が休みやすい環境づくりの一環
「インプットホリデー」は、社員が休みやすい環境づくりの一環として、社員一人ひとりがすでに保有している有給休暇に加えて、毎月1回、全社一斉に休暇を取得する制度。該当日を、毎月第2週もしくは第3週の水曜日もしくは金曜日とし、現時点では6月8日(金)、7月11日(水)、8月8日(水)、9月21日(金)、10月10日(水)、11月9日(金)、12月12日(水)を予定している。
また、出社してパソコンにログインすると自動的に表示される質問(1問)に直観的に回答するだけで、その日のコンディションを客観的に知ることのできる「バイタリティノート」を、7月から全社で導入する。
「バイタリティノート」は、人生を豊かにする最先端のポジティブ心理学(PERMA)の指標をベースに、電通が独自に開発したシステム。社員は「自身のコンディション」、マネージャーは「組織としてのコンディション」の把握が可能になるため、個人と組織の双方にとって、より健康的な労働環境の実現につなげていくことができる。
電通は、15年に新入社員だった女性社員が過労で自殺した問題が発生。社会的な批判を浴びた。同社によると、17年の1人当たり総労働時間は2031時間(前年比135時間減)となるなど成果をあげているが、新たな施策で社員一人ひとりの成長を支援していくとしている。