「フリーランス」という働き方の人が増えている。一つの会社や組織に属せず、複数の会社やクライアントとのあいだで、仕事ごとに業務委託契約などを結んで報酬を得る働き方のことだ。
会社員やアルバイトのような月給制、時間給制ではなく、一つの仕事が完了するごとに収入を得る。働く時間帯や仕事量が調整しやすく、自由に選べるのが利点だが、収入が不安定なため、思い切れない人が少なくない。
自営業の独立オーナーから会社員の副業まで4つのタイプ
こうしたフリーランスを対象に、インターネットを通して仕事を紹介する仕組みを提供しているランサーズが、「フリーランス実態調査2018年」を、4月4日に発表した。それによると、副業なども含めた広義のフリーランスの推定経済規模は、前年比9%増の約20兆1000億円。収入総額が初めて20兆円を突破。日本の総収入額の10%を占めることがわかった。
その結果、フリーランスの人口は2015年の調査開始時の913万人から、1119万人に達した。労働人口の約17%を占める。
調査は、全国の20~69歳の働いている男女3096人を対象に、働き方や収入内容などを詳しく聞いた。同社では、フリーランスを広義にとらえて、次の4つに分類している。
(1)「自営業」系独立オーナー:狭義のフリーランスの一つ。完全に組織から独立し、個人で会社を経営したり、弁護士などの資格を持ったりする専門職。
(2)「自由業」系フリーワーカー:狭義のフリーランスの一つ。組織に勤めていたが、定年前退職や出産などを機に自らやりたいことを行なうために独立を決意。単なる主婦のパートなどとは異なり、プロ意識を持つ人。
(3)「副業」系すきまワーカー:常時雇用されているが、終末や夜間などの空き時間にフリーランスの仕事をこなす。
(4)「複業」系パラレルワーカー:雇用形態に関係なく2社以上の企業と契約ベースでフリーランスの仕事をこなす人。
その結果、フリーランスの人口は、2015年の913万人(労働人口の14%)から200万人増えて1119万人(同17%)となった。「働き方改革」で兼業を認める企業の動きが出てきたこともあり、「複業」系が昨年(2017年)より5%増えたことが目立つ。全体では「副業」系が一番多く454万人(41%)で、次いで「自営業」系の322万人(29%)、「複業」系が290万人(26%)、「自由業」系53万人(5%)の順となった。