あまりに期待が高まり過ぎると、大谷選手も......
F氏によれば、「ピグマリオン効果は、その実力から判断して過剰な期待感を繰り返して与えてしまうと、むしろ本人を追い込みすぎて逆効果になることもある」という話をしていました。
T君は度重なる社長からの期待感アプローチにプレッシャーを感じ、なんとか獲得をあげなければという焦りに押しつぶされる形で採算無視の売り込みを仕掛けることで、成約を得ていたのでしょう。ピグマリオン効果の思わぬ弊害が出てしまったようです。
「大谷選手に怖いのは、今の好調で周囲や日本のファンからの期待感がさらに大きくなりすぎて、無理をしてケガをすることでしょう。日本国内のメディアが熱狂し、彼への取材が増えれば、それはさらなる期待感として彼に伝わりますし、刺激を受けて日本から現地に赴いて応援するファンが増えれば、それはまた従来以上の期待感を彼に伝えることにもなります。ピグマリオン効果から言えば、われわれ日本で彼を応援する立場の者が極力冷静に応援してあげることが、無理なく彼の実績を順調に伸ばすことになるのではないかと思います」
なるほど、行き過ぎたピグマリオン効果の弊害を目の当たりにしてきた立場から、冷静さを失うことなく、日本の至宝とも言える「二刀流」大谷翔平選手の今後の活躍を応援していきたいと思います。(大関暁夫)