カジュアル衣料チェーン「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの海外事業が伸長している。
同社は2018年4月12日、18年2月中間決算(国際会計基準)を発表。海外のユニクロ事業の売上高が、中間期では初めて国内を上回った。
この約半年で「72店」出店、北米・中国で伸びる
ファーストリテイリングの2018年2月中間決算は、売上高が前年同期比16.6%増の1兆1867億円、営業利益は同30.5%増の1704億円だった。ともに中間期では過去最高だ。
海外のユニクロ事業は、売上高が同29.2%増の5074億円、営業利益が同65.6%増の807億円となり、全地域で計画を上回る業績を達成した。特に北米や中国大陸では、大幅に収益を改善。2017年9月から18年2月にかけて72店を出店するなど、海外進出に力を入れていた。
一方、国内のユニクロでは、「ヒートテック」など防寒商品の売れ行きが好調だった。売上高は同8.5%増の4936億円、営業利益は同29.0%増の887億円を記録。中間期では初めて、国内ユニクロの売上高が海外を下回った。
好調な業績を受け、同社は2018年8月期通期の連結業績予想について、売上高を2兆1100億円(前期比13.3%増)、営業利益を2250億円(同27.5%増)、純利益を1300億円(同9.0%増)に上方修正した。
柳井正会長兼社長(69)は、2018年4月12日の決算記者会見で、「世界の人口すべてに受け入れられる可能性を実感している」と述べた。また、記者団から後継問題を聞かれると、「国内外で経営経験を積むことで、経営の中核を担う人材が育ってきたと思う。現状の経営陣は、良い線をいっていると思う。何も心配していない」と語り、いつとは明らかにしなかったが、バトンを譲る体制が整いつつあることを示した。