前回に引き続きカバンの話です。2018年3月に、ある会社様の会議に出席したところ、同じく出席していた他社の男性がやにわにカバンからペットボトルを取り出し、おいしそうに飲んでいました。
昔から節約のためマイペットボトルを持参してデスクなどで飲んでいる人はよくいましたが、客先で出されたお茶を頂かないで、わざわざ持参したペットボトルを飲む人は初めて見ました。よほどすてきな自家製栄養ドリンクでも入っているのかしらと、しばし思いにふけってしまいました。
万一の時のために潜ませておく、あれこれ......
しかし、この方の行動、じつは一定の合理性があるのでは、とも思いました。
私は、ちょうど7年前の3月、東日本大震災に伴う各企業様の緊急対応についても担当させていただいていました。その中で大切なテーマの一つは、もちろん従業員の安全確保です。そして、震災の際、発生したのは大量の帰宅難民です。
不幸中の幸い、震災は3月でしたので問題は顕在化しませんでしたが、これが万一夏でしたら、脱水症状で苦しむ方が多数発生したでしょう。
コンビニエンスストアや自動販売機の飲料の多くはすぐに売り切れていましたし、特に直下型地震の場合は、そもそもコンビエンスストアや自動販売機自体が機能しないことが考えられます。
しかし、この方のようにペットボトルの携行を習慣にしていれば、万一の時も最低限の水分補給は期待できるのです。
さて、この観点から考えるとペットボトルのほかにも、カバンに潜ませておいたほうがいいものとしては、以下のものが考えられます。
避難図マップ(もちろん勤務先で被災した場合にはできればその場にとどまることが望ましいというのが政府の方針ですが、危険な場所にいた場合は移動せざるを得ないこともあります)。スマホが十分に機能しない可能性もありますから地図があれば安心です。