シェアハウスを展開するスマートデイズは、2018年4月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けた。
同社は2001年10月の創業。12年8月に法人改組された投資用不動産販売業者。「クラウドアパート」のブランド名で宿舎型シェアハウスの販売やサブリース、管理などを手がけ、女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」ほか、男性や外国人向けの「ステップクラウド」、シングルマザー向けの「シングルマザーハウス」を展開していた。
シェアハウス賃料未払いで社会問題化
信用調査の帝国データバンクによると、スマートデイズ(旧スマートライフ)はシェアハウスのサブリース事業では草分け的な存在で、近年はシェアハウスの入居者を対象とした人材派遣事業も開始するなど、若者支援を目的とする住まいと仕事の両面での支援事業を活発化。2017年3月期の売上高は約316億9600万円だった。
しかし、昨秋から提携金融機関との契約状況などが大きく変わり、新たな寄宿舎型シェアハウスの販売が難しくなったことから、信用不安が拡散。サブリース事業から撤退するなど、大幅な業容転換を余儀なくされた。
2018年1月には、シェアハウスの物件オーナーに対する賃料の支払いをストップ。その後、一部のオーナーが損害賠償請求訴訟を起こすなど、事態が悪化していた。
負債は、債権者約911人に対して約60億3500万円(2018年3月末時点)。このうち、約23億円が物件オーナー約675人に対するもの。
スマートデイズの民事再生法の適用申請に、インターネットの掲示板などには、
「この物件、一般の賃貸としては厳しいぞ」
「こいつらはともかく、融資した銀行の追及のほうがより重要だと思う」
「民事再生って、再生のしようがないだろwww」
「コレは酷いw 投資した人はどうなるのよ」
「この一連の事件、結局だれが勝ち組なん?」
などと、厳しい声は少なくない。
ただ、
「民泊始まったんだから、それに転用しとけば借金返せるだろう」
といった、楽観的な見方もないわけではない。