澱んだ空気を吹き飛ばすのは君たちだ! 社長はその思いをぶつけよう(大関暁夫)

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朝の通勤電車を「変えた」真新しいスーツ姿

   なるほど、経営者として社員を大切にすることを再認識し、単なる雇用関係を超えた、家族として喜ばしい出来事を共有しようというM社長の考え方が奮っています。

   社員の定着率向上も結局のところ、経営者である社長の社員を大切に思う気持ちが伝わるか否かで随分と違ってくるように思います。新社会人の門出の日に、社長の思いをしっかりと受け取った今年のフレッシュマンたちは、きっとこの先長く会社になくてはならない存在として活躍してくれるのではないでしょうか。

   フレッシャーズを迎える季節に、もうひとつ思ったこと。それはいつものように朝の通勤時間帯に電車に乗った時のことでした。

   私は勤め人ではないので、毎日決まった時間に電車に乗るわけではないのですが、4月はじめのその日は、いつものように満員の車内に乗り込むと、すぐさまどこかいつもと違う雰囲気を感じ取りました。

   車内は通勤通学の人たちでビッシリ。よく見ると、その人ごみの中に真新しいスーツの新社会人らしき若者がポツリ、ポツリと。加えて新しい顔見知り同士で少し遠慮がちに、でもどことなく楽しげに話をする大学フレッシャーたちも。いつもと違うムードは、明らかに彼らが醸し出しているのだと、わかりました。

   何が違うのかといえば、彼らは声にこそ出さないものの「がんばるぞ!」とか、「これからどんな毎日が待っているのだろう。楽しみだ」と言ったような雰囲気が伝わってくる感じがすること。いつもはビジネスマンたちの疲労やため息ばかりを乗せ重たい空気で走っている通勤電車が、嫌なものを感じさせない、なんとも不思議な気持ちにさせられたのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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