2017年度の労働(人材)派遣業の倒産が、前年度と比べて28.1%増の73件となり、4年ぶりに増加した。帝国データバンクが18年4月4日に発表した。
負債規模別でみると、「5000万円未満」の小規模倒産が全体の7割を占めた。
雲行きが怪しい人材派遣業
人材大手のリクルートスタッフィングとパーソルホールディング、パソナグループの2018年3月期(パソナは5月期)第3四半期決算は、いずれも増収増益で好調を持続している。
しかし、業界全体が好調というわけにはいかない。73件の労働派遣業者の倒産は、小規模倒産が大半を占める。帝国データバンクは、「人手不足を背景に需要が増加する一方、業界内での人材確保が困難になっているとみられる」と分析する。
さらに、「2018年問題」と呼ばれる壁もある。労働契約法と派遣法の法改正により、18年4月から有期社員の「無期転換ルール」が、10月には派遣社員の「派遣期間3年ルール」が始まる。
そのため、「派遣先企業による派遣労働者の雇い止めなどが懸念され、業界に一定の影響が及ぶ可能性がある」と、帝国データバンクは伝えている。