健康食品や化粧品の通販事業を展開する北の達人コーポレーション(北海道札幌市)が、新卒社員の初任給を、前年比36.0%アップの34万円に引き上げた。2018年3月30日の発表。18年4月入社の新入社員3人が対象だ。
就職戦線をめぐっては、人手不足で学生に有利な「売り手市場」が続く。同社は積極的な賃金アップで、優秀な人材の確保を目指す。
既存社員も年収86万円アップ
「当社を希望する学生とバッティングするのが、外資系コンサルや大手ITベンチャーなので、そうした企業と(給与水準を)合わせました」――。北の達人コーポレーションは4月2日、J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材にそう答えた。
これまで地元・北海道の学生を中心に新卒の募集を行っていたが、17年から全国的に募集を開始。18年4月入社の3人は、東京からの応募者だった。来年以降も同額を支給し、全国から優秀な学生を呼び込む。
あわせて、総合職社員約40人のベースアップも発表。社員の士気向上や長期勤続の促進が狙いで、前年比約 21.2%の賃上げ(年収ベースで約86万円)を実施する。
昨今の人手不足で、待遇改善を打ち出す企業が増えている。大和証券グループは19年4月から、大卒初任給を1万円引き上げ、25万5000円にすることを発表。ヤマト運輸は18年春闘で、正社員を対象に月額1万1000円の賃上げで合意した。
いずれも優秀な人材の確保・引き止めを狙ったもので、今後は人材獲得競争がますます激化するとみられる。