【震災7年 明日への一歩】三陸鉄道「リアス線」 来春、岩手県沿岸が1本のレールで結ばれる

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   東日本大震災で被災して不通が続いている岩手県沿岸のJR山田線の宮古~釜石間(55.4キロ)の運行が2019年3月23日、8年ぶりに再開されることになった。第三セクターの三陸鉄道(岩手県宮古市)が18年3月28日に発表。この区間は、JR東日本から三陸鉄道に移管されることになっている。

   これまで三陸鉄道は、久慈~宮古間の「北リアス線」(71.0キロ)と、釜石~盛間の「南リアス線」(36.6キロ)の2路線を運行してきたが、山田線の移管後は久慈~盛間の「リアス線」(163キロ)に改称。第三セクター鉄道としては、国内最長路線として再スタートする。

  • 三陸鉄道は2019年3月から「リアス線」として再出発する(2010年撮影)
    三陸鉄道は2019年3月から「リアス線」として再出発する(2010年撮影)
  • 三陸鉄道は2019年3月から「リアス線」として再出発する(2010年撮影)

JRから移管、「宮古~釜石」再開へ

   JR山田線は全13駅のうち、4駅が津波で流出。鉄橋6か所も破壊され、線路は約8.5キロにわたって流出した。JR東日本は2018年秋までに復旧工事を終え、三陸鉄道に引き渡す予定。三陸鉄道の北リアス線と南リアス線は14月4月に全線再開しており、さらに5年かかって岩手県沿岸部の大船渡市~久慈市が1本のレールで結ばれることになる。

   三陸鉄道は、能年玲奈(のん)さん(24)が主演したNHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」(2013年)の舞台になったことで観光目的の客足が伸びたが、まだまだ経営は厳しい状況だ。

   2017年度の決算見通しによると、運賃収入は、観光客が減少したことが原因で前年同期比4.1%減の2億5337万円。当期損失と経常損失は5023万円、2億4815万円で、それぞれ2期連続、24期連続の赤字。

   17年4月~18年2月期の乗車人員は前年同期と比べて3.0%増の48万9381人。定期券の割引率を上げたことが奏功した。それでも、震災前の2010年度の同時期と比べると4割近く少ない水準だ。

   三陸鉄道沿線では、18年6月に宮古~室蘭間にフェリーが就航するほか、19年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会では釜石市が会場のひとつになっている。こうした機会をとらえて乗客増につなげたい考えだ。

   ドラマ「あまちゃん」の最終回で、北三陸鉄道リアス線の運転再開を、町や沿線住民が走って祝うシーンが描かれていたように、三陸鉄道は震災復興のシンボルの一つになっている。8年を経て、「リアス線」として1つの線路でつながる。(J-CASTニュース編集委員 工藤博司)

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